LOTハンドメイドルアーのこだわり
バルサ材へのこだわり
墨取りするバルサは一枚一枚、硬度や節目の有無に至るまでチェックして購入しています。LOTの基準にあわないバルサ材は一切使用しません。 また、木目を生かすタイプのルアーの場合バルサ材の色にもこだわっています。 さらに、極力左右の浮力誤差を少なくするため木材の特徴を考慮した製作をしています。
デザインへのこだわり
アクションやフラッシング効果は当然のことながら、機能美を具現化したシルエットにこだわっています。つまり、美しい物には無駄が無く機能も備わっていて、 機能に徹した物は美しく輝いているということです。 この機能美の追求はLOTの哲学として永遠に追求していくこととなります。
削りへのこだわり
長年の経験をもとにハンドカービングのみで造形していきます。 ワイヤー中心線より左右前後を眼と手の感覚に頼りながら心を込めて削っています。
コーティングへのこだわり
温度や湿度、ルアー形状に合わせセルロースの濃度を調整しています。また、コーティング回数も下地段階で10回以上、トップコートもあわせると30回以上施しています。
リップへのこだわり
ノイジ-系の複雑形状のリップであっても 魚の視点より見てルアーのシルエットを壊さない様に 手作りのポリカーボネイト(透明)の手曲げ加工にこだわっています。 通常のミノーリップもポリカーを採用しており 現在最も強度のあるリップ素材だと確信しています。
アクションへのこだわり
アクションは内部ウェイト位置と重量、削り方 そしてリップやラインアイ位置、コーティングの厚み等の 要因が複雑に関係しています。 ハンドメイドなのでコンピューターを駆使しての 流体力学や均質無比といったような精度は考えていませんが、 常に各ルアーのコンセプトと実用面を シンクロさせるように努力しています。 特に私の場合はキャスティングのしやすさと実用面を優先しています。 例えばBT100は フラットなボディ側面を持ち、 フラッシング効果をBTアクションにより 面で最大限に生かすコンセプトとなっています。 しかし、同じコンセプトでBT75の小さなルアーに同比率でウェイトを入れると 完成ルアー自体軽くなってしまい ベイトタックルでロングキャストしづらくなります。 そこで、BT75はBT100よりファットなラウンド削りを施し 浮力を高くすると同時にウェイトを最大限に重く入れる事によリ この問題を解決しています。 当然、BT75専用リップを装着しています。 LOTルアーの中にはBTシリーズの様に 多彩なアクションを演出できるものもあれば、 B・S・J(ボトム・スライド・ジグ)の様にプロト段階ではありますが ノーアクションタイプも存在します。 私のアクションに対する考えは、 「動」から「静」に至るまで全て必要枠という事です。
フラッシング素材へのこだわり
LOT初期作品は筆塗りのペイントでした。 塗料にはラメやパール、蛍光、夜光 そして現在ではマジョ-ラ等の優れた光を放つものがあり、 これも魚を釣るフラッシング素材として有効と考えますし、 箔を貼らないノーマルペイントのみのルアーの有効性も体験しています。 LOTルアーの中には、焼き目表現も存在しますが セルロースディッピングの際、焼き目の中に細かく内包される気泡も 水中では銀色に光り、フラッシング効果の一つと位置付けています。 一方、リアル系というミノー中心のハンドメイドを追求してゆくと 様々な箔や青貝を使ってみたいという創作意欲にとらわれる事となり、 各素材に奥の深さを感じています。
カラーリングへのこだわり
基本的に箔や青貝貼りのルアーの場合 なるべくフラッシング効果を生かしたいので カラーリングは控えめ、もしくは薄色で行っています。 特にBT系・ミノー系に言えることで、 折角の箔や貝の輝きをリアルなカラーリングという事だけで 色重ねや濃色で消したくないというのが、基本的な私の考えです。 (例外もありますが・・・・) なるべく薄色でリアル系のミノーを完成させる事は 実は一番難しい技術の粋だと考えます。 なぜならば、色が薄色になればなる程 下地の箔の貼り方が見え、シワやボディの凹凸が目立ってきます。 箔を美しく貼る為には、 ボディの下地を完璧にツルツルに仕上げなければなりません。 つまり、どの工程も高いレベルでの仕上げが要求される事となります。